時代小説と和菓子

2025年下期の直木賞作家の鳴津輝の作品を読もうとたまたま手にした時代小説「おやつ」を楽しみました。江戸時代の和菓子屋を舞台にした短編集で知野みさき、篠綾子、西條奈加らが執筆しています。江戸で和菓子という食文化が栄えたことがわかったし、心が穏かになる内容が多かった。特に、知野みさきの「如月の恋桜」や、篠綾子の「養生なつめ」が良かった。これらの作品はシリーズ化されているようで今後読んでいこうと思いました。昨年11月に向島百花園での古典菊の展示を思い出しました。古典菊は江戸時代に発展したの園芸文化の伝承です。
本を読んで、早速近所の和菓子屋に行きました。家族でやっている和菓子屋で若主人が菓子を作り、妻や娘さんが店先に立っています。
最初に選んだのが黄身しぐれでこの時期(2月中旬)最も好きな菓子です。中身は甘さを控えたこしあんです。黄色の外皮は美味で口の中で崩れて軽やかな味わいです。この外皮が中の甘さを控えたこしあんの味を上品に引き立ています。外皮は手で触ると崩れてしまいます。
次に選んだのが練り切りの「水仙」です。微細できれいな造りで写真に撮るのにぴったりだと思いました。
さて、どの器に盛ろうか?この菓子が映える器がどれだろうか?と考えのは楽しい。最初に思いついたのが、水仙を描いた自作の絵唐津の皿です(冒頭と下記写真3参照)。とても地味な皿ですが、それがかえってカラフルな練り切りを映えさせると思いました。どうですか? この皿は2018年、益子の陶芸家 村田浩さんに登り窯で焼成してもらったものです。
次に盛ってみたのが薄い紅色の萩の四方皿で吉野桃李の作です(下記写真4)。練り切りの小さな水仙がきれいな薄紅色の土に植わっているようで春を感じさせてくれました。
こんな調子でまるで着せ替え人形のようにとっかえひっかえ器を替えては楽しみました。






